第4章 後悔
一番下までたどり着くと、クオードは大魔神の目の前に立っていた。
私たちのことに気づくと、クオードは一瞬私に対して悲しそうな目をしたものの、エルに対して冷たい眼差しを向けた。
「…貴様にはエテーネルキューブを開発することだけ命じたはずだが?」
「おいらあんたを信じて絶対にキューブを作ろうって決めたんだ。時間の漂流者同士諦めず頑張ろうって。なのにどうしてこうなっちゃったんだよ!あんたは自分の都合のためにたくさんのものを犠牲にしすぎた…。絶対に許されることじゃない!」
「許してほしいなどと、誰が言った?」
そう言うクオードはまるで別人のよう。
私は黙って彼の言葉を聞いていた。
「おまえたちに理解できるはずがない。自力で時を渡ることすらままならないのにいつになればあの時代に戻れる?どうすればエテーネを救える?」
分かってる。
今もエテーネの王区画にいるディアンジさん達は謎の地震に震えてるって話だって聞いてる。
彼はみんなを助けたいんだ。
やっぱりそこは変わってなかった。
「寄る辺なき時代で焦りはつのり、月日だけが刻刻と過ぎ…年を重ねて……。」
"頭が…どうにかなりそうだった"
彼のその言葉が重く、のしかかる。
「愛してるテレサに会え、絶望から希望になった。」
「クオード…。」
「なぁ、なぜあの爺さんを連れてきた?俺と一緒にいたくないのか?」
クオードは捨てられた子犬のような目をしていた。
愛してるから、彼を見逃す。
それは違うと思う。
「あなたは罪を犯しすぎた。…どうしてそこまでしたの?やりすぎだよ…。」
震える声で彼にそう言う。
でも今の彼にとって、それは私に言って欲しい言葉ではなかったのだ。