第4章 後悔
「お前もそうか。」
かちっと、指を鳴らしてウルベア魔神兵を呼び出した。
私たちの周りにたくさん落ちてくる。
「俺は突き止めた。エテーネ王国が滅んだのは大規模な地盤低下によるものだと。ウルベア大魔神は地脈エネルギーをその心臓部たる地脈の結晶にたくわえることができる。ドワチャッカ大陸全土の地脈エネルギーを過去に持ち帰り、大エテーネ島に注ぎ込めば滅びの未来は回避されるはずだ。」
「そんな…それじゃドワチャッカは…!!」
「いくつの国が滅びようと、だれを殺そうと…俺は必ずやり遂げて見せよう。エテーネを滅びの未来から救うんだ!」
「クオード!!そんなのダメ!そんなことしたらあなたのお姉さんは喜ばない!悲しむだっ……!?」
私が叫んでいると、格納庫は突然崩れ始める。
「なんだ、どうなってる……!?」
「瓦礫がっ……きゃああっ!?」
「姉ちゃん!あぶないっ!」
エルがこちらに走ってくるが落ちてくる瓦礫に阻まれる。
「エル!逃げて!エテーネルキューブを使って逃げて!」
「姉ちゃんっ!!!!」
弟は救わなきゃ。
エテーネルキューブがあれば時渡りができる。
そして、少ししたあと、緑の光が見えて、エルが時渡りできたのが分かった。
(よかった…。)
あとは…この発生源を見つけないと…。
私たちを狙っていたウルベア魔神兵は下に落ちていった。
「地脈の結晶に触れるな!」
クオードの大声が聞こえたので、ウルベア大魔神の方を見れば…
「黒衣の……っパドレさん!?」
パドレさんは巨大な地脈の結晶をだし、自分のモノへとしてしまった。
そして、こちらを向いた。
「ば、馬鹿な…そんなはずは…。なぜだ!?今のは……パドレ叔父さん!?」
そうか。
クオードも小さな頃に面識があると言ってたな…。
パドレさんはそのまま消えていった。
「クオード、どうにかしてここを脱出するよ!」
彼に歩み寄ろうとするも瓦礫が邪魔をして前に進めない。
くそ…どうしたら……!
「テレサーーーーっ!」
声がした上の方を見てみると、ウルタ皇女が飛行装置に乗る彼女とリウ老師が来ていた。
「ウルタ皇女!リウ老師!」
私はリウ老師の飛行装置へと飛び乗った。
クオードはウルタ皇女が救い出してくれた。
崩れ落ちる格納庫を背に、第二庁舎をあとにした。