第3章 覚醒をはじめた証
この船のたった二人の妹。今日はそのうちの一人ユリがこっちに向かっているらしい。
朝、ニュースクーが持ってきた新聞には女の手配書とトップページには、あいつが乗船してくると言っていた世界的商社の船と仮面をつけた女が掲載されえいた。
あいつで間違いないんだが、その仮面をつけた顔全体、戦闘方法が過去に俺が好きだった女"白菊"に似ている。
どういうことだ?
他の古株のやつらもそう思ったらしく、数人が俺のところに集まってきた。
「マルコ、おまえ、これをどう思う?」
「いやぁ、どうしたもんか.....。親父なら、何か聞いてると思うよい。」
新聞を握りしめ、集まってきた古株の隊長達を引き連れて親父の部屋に行った。
「親父!聞きてぇ事がある。入るよい。」
「どうした、入れ。」
部屋に入ると、新聞の内容とユリと白菊がどうして似ているのか、白菊に何か聞いていないかと尋ねた。
「グララララ.....。あいつもあの覇気が使えるかも知れねぇなぁ。船一隻凍らして沈めたんだろう?
妖刀の力だけじゃぁどんなに強かろうが、あそこまで出来やしねぇ。
ありゃ、間違いなく"雪女"と言われる力だ。
紅條家若しくは母親の方が白菊の元家と血縁関係があれば、どんなに遠い親族でも20年に一度同じ力を持つ女が生まれるらしい。
そしてその女は身長、話し方、性格は違えど容姿、戦闘方法は概ね似るらしい。
特に戦闘中はな。」
「悪魔の実はを食わせた刀は、白菊が今でも持っているはずだ。あれはどう説明するよい?」
「ユリの竜は火だっただろう?あれはおそらく父親、義久の方の術。
あいつはレイリーのように非能力者で在り続けることに拘っている。
悪魔の実は、ユリにとって不必要だ。あの術でいつかは白菊を越す日が来るかもな。
ひとつ楽しみが増えたってことよ!グララララ」
楽しそうに笑う親父は、まるで本当の娘のように純粋に成長を喜んでいるようだった。
だったらこっちも、妹であり愛弟子の成長を喜んでやろう。
ユリはユリであって白菊ではないのだから。