第2章 旅医者の女
太陽の光がどんどん強くなってくる。
もうすぐ海上。
クルーのみんなも甲板に集まってきて、帆を張る準備や海上の状況確認と海上に出る準備を進める。
後方に着いてきているディルバリーの船も同様だ。
太陽の光と空の青さが海を青く見せる。
久しぶりの新世界側の海。
天候が目まぐるしく変わるこちら側の海は、珍しく晴天。
「海上に到達するぞー!!新世界だ!!」
航海士の声に皆が雄叫びをあげる。
ザパーンと大きな音を立ててレッドフォース号とディルバリーカンパニーの船が海上についた。
空はやはり晴天。雲一つ無い空は、私の旅立ちを祝ってくれるようだった。
二隻の船は並んで走行し、赤髪海賊団との別れとディルバリーへの受け入れで双方のクルーがが向かい合うように船縁に並んだ。
「ユリ!またいつでもこいよー!」
「風邪引くなよー!」
次々にクルーの見送りの言葉が投げ掛けられる。
「ディルバリーの野郎共!ユリちゃんを泣かすなよ!」
.......嫁に出す父ちゃんか!
でも、そんな気遣いもうれしい。
二隻に架けられた橋の前でシャンクスと兄上と私、向こうの船ではボルさんエリさん夫妻が立っている。
「シャンクス、兄上行って参ります!どうぞ御体ご自愛ください。」
「おまえもな。いつでも遊びに来い。こっちは大歓迎だ。」
「また、連絡を寄越せ。白髭の親父にはよろしくな。」
「えぇ。お元気で。」
そういうとどちらともなく3人で円陣を組むかのように抱き合った。