第2章 旅医者の女
気分が悪くなるまでのエンドレスゲーム。
次々に酔い潰しまくって、最終的に最後まで残っていた自分に驚いた。
ラスボスは意外にもモルトさん。
でも、かなり酔いが回ってテンションが高すぎる。
「うっひょい!商人航海士が海賊様相手ににこれで勝てるなんて夢みてぇだぁ!」
そして泣き上戸。
回りにいた赤髪海賊団のみんなは地団駄を踏みながら悔しがっている。
「あんなひ弱そうな男に負けるなんて....。」
勿論一番悔しがっていたのは一番酒と宴が好きなシャンクス。
しかし、彼も潰れた身。座ってもいられないにも関わらず最後まで見届けると、なぜか私の膝を枕に寝そべっている。
勿論、最初のうちは然り気無く逃げていたのだが、かなり拗ねて可愛そうになったから、こういう状況に....。
お頭がかわいいなんて、クルーのみんなが言い出すのも、もうなんのその。
「偉く気に入られたもんだな。世界の四皇に。」
見物に来ていたディルバリーのクルーたちにも冷やかされる。
言っておくけど、お付き合いはしておりません。
お酒けが入るとくっついてくるのは昔から。
でも、再開してから今まで殆どの時間を共に過ごしてきて少し感じた。
子供の時と少しだけ前と違うのは、一瞬何かを思い出してか切なそうな顔に見えるときがある。
その理由が、わたしと誰かと重ねていてこうしているような気がしてる。
でも、それを今は聞いてはいけないと思って言えなかった。
明日は海上に着いたらお別れ。
私は白髭の父さんのところへ行く。
次会えるのはすぐかもしれないし、ずっと後かもしれない。
それでも、彼が話さない以上、彼女とかそこまでの間柄ではない私は踏み込んだらいけない領域。
そう。彼の問題だ。