第2章 旅医者の女
宴は二日目にもかかわらず大盛況で、ディルバリーのみんなと、赤髪海賊団、竜宮城の兵達も一緒になってばか騒ぎ。
ほんの一週間前までは、四皇の肩書きにビビっていたディルバリーの社員達は、もう、友達や仲間というレベルの溶け込み様。
肩を組んで飲み比べをしたり、グループをつくって酒を飲ませるゲームをやっていたりと様々。
酒の力は凄まじい。
十人もいないのディルバリーのみんなは挙手させないと見分けがつかないんじゃないかと思うほど。
間にたつ私は嬉しくて堪らなかった。
今回はしらほしも今日の流れでここにいる。
私の席は、咲と一緒にしらほしの膝の辺り。
しらほし護衛隊とボルさんエリさんと飲んでいた。
兄上はしらほしの手のひらに座って酒を飲みながら彼女と話している。
顔をほんのりと赤らめて話す姿は何とも言えないほど可愛らしい。
フカボシ達はしらほしの恋心に気づいてか、少し複雑そうな顔で見ていた。
「ヨシタカなら....いい。 あんなに幸せそうな顔をされては何とも言えん。」
「兄上は気づいてらっしゃるかもしれないけど、お付き合いはしてないんだから、そんなに深刻にならなくていいのよ。」
嫁に出すような口調でフカボシが言っていたのでまだまだでしょうと呆れながらも、兄上達と同じように妹想いなところで思わず笑顔になった。
「おい!ユリ! おまえ、酒はザルだろう?飲み比べしようぜ!!」
いつのまにか、シャンクスを含む幹部達とディルバリーのエリさん、航海士のモルトさんも輪になってジョッキと酒瓶を持って円になって座っていた。
「楽しそう!やってみたい!」
そういって、ジョッキ片手に酒瓶持って円に混じった。
王子三兄弟はその姿に呆気にとられていたのは知る由もない。