第2章 旅医者の女
しらほしの気が済んで、皆が輪になって腰掛けた。
どこかで私たち一行を見ていたのかデッケンの斧はあれから飛んでくる気配がない。
「少しは気がほぐれたかい?人魚姫。」
「はい。みなさんのお陰で楽しゅうございました!」
満面の笑みで答えるしらほし。
その顔を見て皆が笑顔になった。
「こうしてヨシタカとユリと俺の3人でここにくることは今後暫くないだろう。
次は白髭が船団で来たときに甘えればいい。
この二人は白髭の"子供"でもあるんだからな。
あんな狭いところにばかりいたら病気になっちまう。」
シャンクスは私と兄上の頭をぽすんと叩きながら太陽のように二カッと笑って、しらほしに言った。
「はい。今度いらした時にお願いしてみます。」
「デッケンを見つけられたら一番楽なのにね。」
「あぁ。そうだなぁ。俺でもさっぱりだ。」
「あぁ。俺もだ。」
3人は空を見上げてため息を一つついた。
「俺たちの国の問題だ。そこまで思い詰めないでいいミレド♪」
「そうだとも!ここまで連れて来てくれただけでも嬉しいんだ!」
二人の王子は肩を組んで嬉しそうに笑ってみせた。
「時代は大きく変わりつつある。事を納めてくれる人物がもしかしたら表れるかもしれん。
希望を捨てるなよ。王子達。」
「そうね。暗い闇はいつか日の光が照らしてくれる日が来るものよ。」
「そうか。それならそれを楽しみにしているよ!
何か凄くいい気分だ!ウーーーーーーマンボゥ!!」
それから暫く話し込んで、海の森を後にした。