第2章 旅医者の女
シャンクスは斧が来た方を見たあとしらほしに話しかける。
「すまん。人魚姫。沢山寄りたいところだったが、人が集まりすぎた。予定を変更してこのまま海の森にいく。」
「はい。護衛してお外に出していただけたのです。わたくしは、それだけで充分でございます。」
笑顔で答えるしらほし。
シャンクスは大きく頷いて返事を返した。
「ヨシタカ、ユリ、王子達。硬殻塔に帰るまで気を抜くな。傷一本つけさせるなよ。」
「「はい!」」
いくら見聞色で回りを見ていても人が多い分見落とす確率も高くなる。
妥当な判断だ。
それからは、お祭り騒ぎにも気を止めなくなり、海の森へ進んだ。
その間にも国民達がしらほしや、王子達に手を振り、それに応えていた。
海の森まで来ると先程とはうって変わってしんと静まり返っていて、淡く優しい光が辺りを照らしていた。
「何度も魚人島に来たけどここに来るのは初めてだわ。」
「船の墓場というわれるところソラシド~♪あまり人は来ないミファソ~♪」
「しらほしを連れてこれてよかった。俺はうれしいぞ♪んーマンボ♪」
リュウボシもマンボシも、しらほしをここに連れてくるのが念願だったようで、いつも陽気な二人がそれ以上に嬉しそうだった。
「みなさんここまで有り難うございます。早速ですがお母様のお墓参りさせてくださいまし。」
涙を浮かべながら微笑んだ。
「私たちも一緒に手を合わせさせて。オトヒメ王妃にはお世話になっていたもの。」
「是非お願いします。」
私たち一行は、オトヒメ王妃の祭壇に手を合わせて冥福を祈った。
しらほしは、話したかったことが積りに積もっていたのか、時折涙をぬぐいながらも、長い時間手を合わせていた。