第2章 旅医者の女
朝食を終えたころ、硬殻塔にはシャンクスと兄上、フカボシ、リュウボシ、マンボシ、ネプチューン王がやってきた。
「ユリ。昨夜はしらほしと共に過ごしてくれて礼を言うじゃもん。」
「礼だなんて....。わたしはただ、しらほしと共に居たかっただけですから。
しかし、皆さんお揃いでいらっしゃるということは何かお話があるのでは?」
そこでシャンクスが前に出た。
「ここにいるものを護衛として引き連れて、人魚姫を外に連れて行こうと思っているが、人魚姫がそれを望むかを聞きに来たんだ。
全力で護衛を約束するが、飛んでくる斧を見ることにはなってしまう。
それでも行きたい気持ちがあれば全力で護衛し、傷一本も付けさせやしない。
どうだ?
俺たちと来るか?」
私と考えていたことが一致していたことに驚いた。
斧から守る自信は自分達がいれば大丈夫だとは思っていた。
でも、降りかかる斧を見ることや、跳ね返す音をきくことにはどうしてもなってしまう。
それ自体がトラウマになっていたらと聞き出せずにいたのを代弁してくれた気がした。
そして、フカボシ王子が続く。
「俺と父上はここに残る。あとはここにいるもの全員おまえについて行く。
次いつ出られるか分からないという事情もある。
父上は同性であるユリも一緒にいてくれたほうが、しらほしにもいいとは思ったんだが。」
「赤髪殿が申し出てくれたのだ。皆、しらほしがここに閉じ籠っているのを案じておるじゃもん。
無理にとは言わない。」
シャンクスが考えて言ってくれたの?
私と同じことを?
しらほしは、部屋にいるものを見渡した。
「わたくし行きます!お母様のお墓参りがしたいです!」
そして、一行は用意をして外に出ることにした。