第2章 旅医者の女
これもまた、どこが好きかを訪ねると、
赤面しながら、優しい顔で指折りしながら兄上の好きなところを聞かされた。
最初はルックスから入っていったところを見ると、この子は意外と面食い........。
まぁ、あれだけ可愛いと隣にいるのはある程度華のある殿方でないとと思ってしまう自分もいる。
これだけ考え事をしている間にも兄上の好きなところリストを途切れなく言えるなんて、有り難いを通り越して、なぜだか申し訳なさも出てくる。
でも、こんなに思ってもらえるのは妹として嬉しい。
結局、しらほしが眠さで船漕ぎをするまで恋バナでもりあがり、横にさせると、
「許されるのなら、今夜一緒に眠ってくださいませんか?」
と聞かれた。
「いいわよ。一回帰らないと心配させるかもしれないから、一言言ってくるね。
とりあえずしらほしが眠るまでここにいるわ。」
眠そうにありがとうございますというと、よっぽど眠たかったのかすぐに寝付いた。
約束したのだから、起きたとき私がここにいなければ泣き虫なこの子は、不安になって泣くだろう。
この部屋で寝るために、寝具一式兄上に手伝ってもらいながら、運び込み、いつもしらほしが食事をするテーブルにベッドメイキングして寝ることにした。
布団の中に入ると、目の前にある可愛らしい寝顔。
眠るしらほしは少しばかり微笑んでいるよう。
その顔が安心しているようにも感じられ、
自然と笑顔になった。
「いつか、安心して寝れるようになるといいね。」
と、しらほしに対して呟くと、ふふっと寝言で笑って答えた。
もう、本当に可愛いんだから。
目を閉じると、私も案外早く眠りに落ちていった。