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使命と約束[ONE PIECE]

第2章 旅医者の女


「また来たよ!しらほしー!」


ドアを開ける音で気づいたのか、開けきる前に明かりがつき、私が来たことに喜んで出迎えてくれた。




「ユリちゃん様!もうお宴は終わったのでございますか?」



「しらほしとお話がしたくて抜けて来ちゃった!」


「お気を遣わせましたか?」



「いいえ、早く来たかっただけよ!」



そこまで言うと、一段と笑顔になって受け入れてくれた。

この子は、言わなくても、私の本心はわかる子。


解らなくても、そうして笑っている顔を見ていると安心できた。


「ユリちゃん様、前にお会いしました時より、さらにお美しく、お優しくなりましたね。

兄様達も、少しばかり緊張していたようでした。

ユリちゃん様はおモテになるから、お兄様方も大変でしょうね」



ニコニコと無邪気な顔でいう。

本当によく見てるな。この子。



「男の人が私に好意を持ってくれることは有り難いわ。
でも、私は至って極自然でいるつもりで、何の変哲もない普通の女よ?

何処がいいんだか...。」


「ユリちゃん様は充分に素敵でございます。ご自分を卑下しすぎです!」


ムキになって私のことを力説してくるしらほしは、
指を折りながら、私のいいと思うところをブツブツ呟きながら数え始めた。



「あはははぁ.....ありがとう。しらほし。何だか照れ臭くなっちゃった。

でも、そんなに思っていただいて嬉しい!

しらほしも可愛いし、それ以上に素敵なところ沢山よ!」


「まぁ!!そんなっ!」



照れさせたことに対してお返しをすると、顔を真っ赤にして両手でその顔を隠した。





「ところでユリちゃん様!恋はされていらっしゃるのですか?」


「うぐっ! ゴホッゴホッ!急に...ゴホッ...何を言い出されると.....ゴホッ!」

飲みかけていたお酒が気管に入ってむせていると、しらほしが顔を覗き込む。

「大丈夫でございますか??」

「ゴホッ!.....ふぅ、ごめんなさい、もう大丈夫。それでどうして?」

「わたくしの知るところですと、ユリちゃん様の回りの方々は素敵な方ばかりですが...。」


「そうねぇ。豊作過ぎて感覚が麻痺しているのかしら。今のところそういう人はいないし、好きな人もいないよ。」
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