第2章 旅医者の女
残り6日間は、他に用事がある時や、ディルバリーの機密に関わること以外はずっと3人で行動したの。
心配しすぎだと言っても、初日のこともあって、気持ちは解らなくもない。
でも、私だって戦士だ。
しかも、ここにたどり着く海賊億超えルーキーなんて一人で充分な位の実力はあると自負している。
私が一人で旅をしたいというのは、まだ強くなりたいのに、こう甘やかされてばかりいては、それは叶わないと思ったのも大きいの。
勿論、私にいつも優しくしてくれるみんなのことは大好き。
今は甘えてもいい時期じゃない。
そう思ってたからこそ、私の力を頼ってくれたボルさん達の力になろうってそう思ったの。
シャボンディー諸島滞在中に、ボルさんやエリさんと一緒に私が船で必要になるものを買いそろえたり、遊園地で赤髪海賊団のみんなと大はしゃぎしたり、結構充実してた。
また、魚人島を通過して新世界へ行けば、赤髪海賊団のみんなとお別れ。
白髭の父さんの縄張りである魚人島では、父さんに一報入れてあるとはいえ、他人の領地。
通常ならば羽目を外して大騒ぎすることはできない。
それでも、私たち兄妹と赤紙海賊団の繋がりを知っているネプチューン王は、快く滞在を歓迎してくれている。兄上と私に会うのを姫や王子達も楽しみにしているとのこと。
コーティングが終わったとの知らせが来たのは7日目の朝。
海賊との小さい衝突はあったものの、大騒ぎ似なるような事件も起きず、皆安堵して船に荷物や食料を乗せる。
赤紙海賊団の皆に食事を作ると言ったので乗り込むのはそちら。
ボルさんに話をしたら、白髭の父さんの船を出てから、私の商船の護衛としての初仕事らしい。
それまでは好きなようにゆっくり羽を伸ばしなさいと言ってくれている。
彼らとは久しぶりの再会。
そう言ってもらえて嬉しかった。