第1章 幼い士族が抱く使命ー序章ー
その瞬間カイドウ、オロチが立ちあがり、おでん様が気配を感じて某がいる方を見られた。
「誰だ!かかれぇ!」
あちらも影に手下を忍ばせていたのか、覇気に倒れなかったもの達が次々と出てくる。
おでん様一人で敵わない相手。
勿論死を覚悟のうえだ。
こちらの軍を差し向かわせようとしたその時、
「うぉろろろ...。ここはお前一人で充分だろう?オロチ。
俺は、掃除の見物してくらぁ!」
「充分だ。花の都、博羅町までもやすなよ。相棒。」
ふっと笑うと同時に
ゴゴゴゴと大きな音をたててカイドウの体が龍の鱗を帯びていく。
まて、
燃やす?
龍?
........もしや!
「城が危ない!城に向かう部隊は至急向かえ!覇気が纏えぬ者もじゃ!
誰が捕まろうが、殺されようが、一刻も早く一人でも多くの者が城に着け!」
「何を!」「おでん様は!」
次々と投げ掛ける質問に答える暇もなく、カイドウは能力で巨大な龍になっていった。
察した者達は徐々に顔色を変えていった。
「あの御三方を死なせてはならぬ!」
光月家の軍は雄叫びを挙げ走り出した。
おでん様をお助けしようと思ったが、城や街を焼かれるなら、手下を止めるのが先決。
殿.....
我が非力をお許しくだされ.....。
残りの一同は海楼石で作った矢を放つ。武装色を纏い紫色のオーラを放ちながら、カイドウとオロチに向かって飛んでいく。
業火の中、混じり合う金属音、鳴り止まぬ砲弾の音。辺りは戦場と化した。
おでん様はもう磔柱ごと業火の中。助け出そうとした者も焼け、残る兵はどんどん敵の餌食にされていく。
オロチが某に目をつけ近寄る。
海楼石を先端に纏わせた槍をその喉元を狙い、突きつける。
「ぐふふふ...。愚かめ。力の差など、そちも充分理解してるだろう?」
「足止めができれば結構。」
「その威勢に免じて、能力を封じて相手してやろう。」
そして我らの最期の戦いが始まった。
覇気の衝突音が波動が戦いの激しさを物語る。
が、オロチの能力の副反応で、某の力の方がどんどん衰えていくのがわかった。