第1章 幼い士族が抱く使命ー序章ー
それから約一年後のある日、
場所は戻ってワノ国である。
主君はカイドウ、炭火のオロチに捕らえられ、ロジャー殿とラフテルに行ったことで知り得ていることを吐かせるために捕らえられたのだ。
しかし、口を割ろうとしないおでん様は罪人と処せられようとしている。
世界が獲れないなら国だけでも獲るというのか。
オロチはこの国をとる算段であろう。
家臣の我らと赤鞘九人男はおでん城に集まりおでん様救出の策を練った。
重鎮の家臣を中心に、おでん様救出。拙者が敗北を確信したときは、金えもんを中心に城へ戻り、奥方のおトキ様と嫡男桃の助様とその妹の日和様を御守りせよと指示を出しておる。
して我々は処刑場前。
相手は海賊が裏にいることは解っている。
海外の情報を知り得るおでん様から聞いた話では、残忍非道で名の通った相手と聞く。
しかも、白髭殿でも勝つことは出来ても始末ができぬ
という話。
オロチでさえも厄介極まりないというのに。
張って見ていると、動物系の悪魔の実の能力か、動物のような部位が人型についている。
何としても、被害は最小限にしなければならない。
やれることはやって、我が子に託したい。
伊助の息子、伊造には全ての出来事を見届けた後国を出させるという手筈。
白髭の船を目指し、我が子供達に全てを有りのままに伝えて欲しいと言ってある。
あとは、こちらで我が子の事を一切話さなければ、暫くは気付かないでくれるだろう。
レイリーの方も、白髭の方もそれは理解し守ってくれる。
あの子達は自慢の子だ。いい子に育ってくれた。
きっと彼らが大人になった暁には、桃の助様と集めた仲間達とこの国を取り戻してくれるであろう。
拙者がすることは、もう、最善を尽くすことのみ。
光月家誕生より何百年も御支えしてきた紅條家。
最後まで殿の御命御守りしたい。なんせ私が惚れた男だ。
諦めたくない。諦められるか!
妻も某に付いてまいると申してくれた。
本当は来るなとは言ったものの、妻はくノ一頭領の娘。
首を縦に振ってなどくれない。
解っていたことであるが...。