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使命と約束[ONE PIECE]

第6章 死者の声



「”情報が欲しい”ただ、それだけだ。」

無機質な低い声。恐らく他意はない。
帽子の下からギロリと感じる視線に強い意志を感じた。

「わかったわ。場所を変えましょう。」

よく考えれば、どうやってきたからここに来たのか。
奇妙な”あの”悪魔の実で来たとしても至難の業だろう。
なぜそこまでして、こちら側の海に来たのか。

恐らくは七武海召集でわたしも出席したからだろう。
おおよその”知りたい情報”に検討がついた。

後ろをついて歩いてくる不愛想男は無言のまま。
すれ違った歳が同じくらいの女性に個室がある喫茶店のようなものがないかを尋ねては、丁寧に教えてくれた。
教えられたとおり、街の裏手にある路地の入り組んだところにあった店に入れば、奥の方のテーブルに荷を下ろした。

不愛想ながらもスーツで身なりを整えた老紳士が、お冷とおしぼりを持ってくる。
注文にアイスコーヒーとレモネード。

「ガキくせぇの頼むんだな。」

レモネードを頼んだユリに軽口をたたいた。
軽口をたたいて笑みを見せることは、過去に仲間に勧誘するほど信頼ている証でもあるだろう。
それは、力なのか、情報収集能力かは、性格もそうなのかはわからない。

「長旅が続くから、ビタミンが必要なの。」
「へぇ。」
「あなたもお医者様なんだから、自己管理は疎かにしちゃだめよ。目の下のクマ、前よりまだ濃いくなってる。」
「余計なお世話だ。」

本当は寝不足とかそんな単純なものではないことを知っている。
能力の酷使による副反応的なものだろう。目的の為ならば手段も自身の命も顧みない男だというのは前回顔を合わせたことに感じたことだ。そういう真っすぐな解りやすい面も、付き合いやすさの一因である。

注文した飲み物が来るまでの間は話したくないのか、辺りを警戒している。

「あなたが欲しい情報のこと。おおよそ見当はついてるつもりよ。私が会議に出た時に知った情報が欲しいんでしょう?」
「察しが良くて助かる。記憶力もいいようだな。」

それが何なのか尋ねなくともわかるのは、人の心を察しやすい彼女の特性を知ってるからである。

テーブルには注文した品が揃い、店主に隣席に客を入れないで欲しいと頼んだ。




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