第5章 赤い腕章
今日は快晴。
さっき新聞が来たのに空にニュースクーのカモメが飛び交う。
早々に号外かと新聞を受け取ると、
一面に大きく
【コーサノストラ海賊団敗北。幹部逃走】
内心ホッとしたのと、誰が戦ったのかといろいろ気になり広げて読み始めるとじわじわと涙が込み上げてくる。
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コーサノストラ海賊団、グランドライン前半の海最後の島マリスミドル王国襲撃失敗。沖合で待ち構えていたD.Cミゼル率いる護衛艦隊による応戦で圧倒的な力を見せつけた。
これまで、コーサノストラ海賊団は注目ルーキーをも次々潰して傘下に従えていた海賊団。
第二のロックスかと言われるほど横暴で、凶悪な彼らは住民を多く巻き込む島潰しも厭わず、海軍、革命軍、一般の船、海賊問わず手当たり次第に襲い
その海賊団に海軍も各国の軍も手も足も出なかったほどだったと言われる。
以前よりD.Cの新世界支部の活躍が噂されていたが、近年最高護衛隊隊長となった、リドル・ユリ入社後からの勢力拡大は著しく政府も一目置いていた。
今回の戦いを鑑みて
そう長くない期間にディルバリーカンパニーは、革命軍、四人の皇帝と並ぶ3つ目の巨大勢力となる日も来るであろう。
一方被害を大きく受けた海賊団は幹部の遺体収容できず、逃走したと思われる。
D.C側は船の損壊はあったものの隊員は全員無事とのこと。
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涙が溢れて止まらない。
ただ新聞を投げ出して部屋へ戻り電伝虫に飛びついた。
「ボルさん?新聞見たの!
記事の内容合ってる?ミゼルに怪我無い???」
未だにわたしが嫌いな様子のミゼルは電話を受けてくれない。
やむなく、ボルさんかエデルに電話するのが常なのだけど、いろんな感情が入り混じって興奮状態。どうしようもないのだ。
『凄いだろ?ミゼルは無事だ。勿論前半の海の全護衛隊もな。』
「よかった...。よかった。」
部下の無事を確信して安心したのか、功績に対しても感情が溢れているのか涙が溢れて止まらなかった。