第5章 赤い腕章
「わたしは、どうあってもリドル・ユリの部下です。状況は変わってもそれは変わりません。」
「そうか。」
ボルは優しい表情でエデルを見て彼の固い決意になにも返すことはしなかった。
ただ父親のように、エデルとユリの未来を思うだけ。
「まぁいい。本題だエデル。
近年海賊被害が世界的に多い。それに伴って親を失う孤児が社会問題となりつつある。
先日勢力を増したコーサノストラ海賊団も島ごと潰し孤児が更に増えている。
エリが西の海から連れてきた人材と慈善事業の一貫で支部がある全ての島に孤児院を開設したい。
初期の立ち上げから軌道に乗るまでの期間、ユリと君でサポートしてやって欲しい。」
「御意。ユリにも、私から話をします。」
「これも、彼女のための良い経験になる。しっかり彼女をサポートしてくれよ。」
「お任せください。」
エデルはそう言って頭を下げた。