第5章 赤い腕章
そして実践。
ミホーク様は黒刀を抜いて本気で向かってくる。
新橋色の眩しい閃光を伴った斬撃が飛び交う。上手く受け流したり避けたりしながら、コントロールできる最大限の力を駆使する。
だけど、
渾身の一振りのようなものが来れば必ず吹き飛ばされる。
そして、野球かなんかのボール拾いのごとく咲にキャッチされる状況。
わたしは呪いの特性上、最初から本気出して、早く終わらせなきゃいけない。
でもミホーク様はシャンクスと互角に戦って決着が着かなかった相手。
当然ミホーク様に斬りかかるような隙もない。
終わらせることはまず無理。
速く走ることで衝突の力を高めている分、勢いつけて当たれるのは最初の一打だけ。
唯一スピードと柔軟性で、一つ一つの攻撃には間に合ってる。
問題は桁違いの武装色の覇気と覇王色の覇気の融合性。
シャンクスと大差ない。
凄すぎる。
そして、わたしが地に刀を突き刺して地面を凍らしても飛び上がって普通の地面を走るがごとく向かってくる。
刀が当たれば氷粉が舞うだけで、凍らそうとすれば覇気で返される。
耐えるだけで必死なのに、
強い力で弾き返せてない。衝撃を受け流して守ることしか出来てない
ミホーク様は勿論力を出しきってない状態
それでも期待に添えてるのか、刀がかち合う瞬間、どこか愉しそうに口角をあげている。
「それでいい。もっと自信を持て。
まだまだ"海の女神"には及ばないが、その太刀筋は確実に海の女神を彷彿とさせてくる。」
それを聞かされて嬉しくないワケがない。
「やはり意識されていたのですね。光栄です。」
やっぱり心は見られてる。
絶妙なタイミングで声をかけてくれる。
シャンクスとはまた全然違ったタイプだけど、
同じくらい心に暖かさを感じた。