第5章 赤い腕章
翌朝、笛を吹こうと外に出ると子供のヒヒがどうやって作ったのか
わたしの笛とにたようなものを作って持ってきた
「これ、作ってきたの?」
「キキッウキキ!」
どうやらそうらしい。
「見せてくれる?ちゃんと出来てるのか見たいの。」
そういうと、ヒヒは素直に貸して見せてくれた。
形は少々いびつだけど、ないといけない空洞はちゃんと通っていて、作ったことはないけど音がなりそうな状態だった。
「少し手直しするね?」
見よう見まねと言うか、同じ形に近づくように削ったり穴を開けてみた。
そして吹いてみると
♪~
少々音が荒いけどちゃんと鳴った。
「凄~い!音鳴ったじゃない!」
感動して思わず笑顔でヒヒを撫でる。すると、10頭余りのヒヒが自分のを見てくれと持ってきた。
「ごめんね、そろそろ畑に行かなきゃ。」
自分がやるって言ったことだから、弟子として遅れるわけにはいかない。
ヒヒは解ってくれたみたいだけど…
付いてこようとして離れない。
「ちょっとダメよ?大切に育て……」
「キキッ?」
待って、いいこと思い付いた。
わたしがこのヒヒたちとミホーク様を繋いだら、わたしがいなくなっても手入れがいる作物をもっと作れるんじゃ…
「今夜相談してみるから、また明日結果教えるね?」
納得したのかヒヒ達は皆帰っていった。
さぁ、今日も頑張ろう。
気分は久しぶりに晴れやか。
今日はあの黒刀を受けられる。
ビスタだって一度は受けてみたいって言ってたあの黒刀だよ!?
ビスタよりわたしが先に受けちゃうんだよ!?
やっとビスタと本気で長く戦えるようになったんだ。
まだ、負けるけど。
今日も長い一日が始まる。