第1章 幼い士族が抱く使命ー序章ー
でも、あの国は鎖国国家かつ、政府非加盟国で、家臣は俺達を良い目で見てくれたが、こっちの世界じゃ大悪党の仲間。
そんな環境の中で彼らは耐えられるだろうか。
一人立ちするまでは素性は隠さなければいけない。
故郷での名前すら名乗れない。
船長の子供以外にもロジャー海賊団の名前が子供のうちからついて回ること。
それでも、あの国で子供が死んで国も滅びるくらいなら、どんな所でも生かして次世代に託した方がいいのかもわからない。
どっちにしろ、生まれて持ったそいつらの使命だ。
へし折られないように回りがサポートすれば良い。
レイさんとシャクヤクは受け入れると腹を括っているからか、余裕が見てとれる。
「この歳で子供を授かるとは」と喜んでるくらいだ。
その胸の内は船長の子供を引き取らせてもらえなかっった無念もあるに違いない。
そうか。無事ならばその子も2歳くらいだろうか。
時が経つのは早い。
大海賊時代は始まったばかり。
世界は世間が混沌すればするほど時代が変わるらしい。
もしその通りなら
今から生まれてくる子供達が時代を変える世代ならば、
ある程度大人になった俺達が
そいつらを選び、育て、支える立場にならなきゃいけない。
ならば、俺はもっと強くなり次の世代に"一繋ぎの大秘宝ーワンピースー"を掛けよう。
俺はこの時、そう決意した。
だが、後にこの3兄妹が俺の人生において大きな影響を与えるとはこの時微塵も思っていなかった。