第1章 幼い士族が抱く使命ー序章ー
遡ること2ヶ月前。
かつての船長の公開処刑から数年。
あれから暫く海軍から身を隠すため潜伏し修行していた。
潜伏先は、これまたその副船長であった冥王レイリーがいるところであり、師匠も彼だった。
彼の隠れ家であるシャクヤクの家にレイさんと3人で酒を飲んでいたときレイさんのでんでん虫が鳴った。
相手がわかり、話の内容が解ったのか真剣な面持ちででんでん虫を持って自室に入っていった。
「誰だったんだよレイさん。」
「おでんだった。故郷で相変わらず元気でやっているようだ。」
おでんさんは、船長が白髭のところにいたところを船長が惚れ込んでこっちの船にのせた男だ。
破天荒で腕っぷしが強く、何処までも自由を愛し、民や仲間を愛した男。
俺も大好きだったし、おでんさんも俺のことをよく可愛がってくれた。
「へぇ!おでんさんか!懐かしいじゃねぇか!
で、なんだって?」
「私におでんの家臣の子供を育ててくれと言ってきた。」
「はぁ!?どういうことだよ!」
レイさんは話の内容を教えてくれた。
その家臣は先読みの能力があり、ハズレがないこと
そしてその能力でワノ国が乗っ取られる事がわかり、光月家および重鎮の家臣が処刑されること。
おでんさんの子供は立場上どうしても直前まで逃がすことはできないこと。
直前で逃がしても悪魔の実の能力で成長しないまま未来に行くことなること。
飛ばした未来にその先読みの力がある家臣の子とおでんの子の力で国を取り戻させるということ。
頼れるのがレイさんと白髭しかいないということ。
大まかにはそういうことだった。
白髭ですら、おでんを、その街を助けてあげられないとなると、おそらく主犯はカイドウだろう。あいつは殺せない世界最強の生物だ。おそらく戦うだけで国がめちゃくちゃになってしまう。
なるほど。そういうことか。
助けを求めたくてもできないんだ。
で頼まれた子供は見聞色が既に身に付き、兄は覇王色の覇気も一回無意識に出したことがあるという。
すげぇ素質持ってんじゃねぇか。
おでんさんが自分の子と同等くらいに認めた子はどんな兄妹だろう。
そんな興味が沸き上がった。