第5章 赤い腕章
「オマエの周りにも、腕のたつ剣士がいるだろう。
赤髪やヨシタカ、白髭海賊団の隊長達…。
俺から何を学ぶ?」
「剣との向き合い方と生き様に興味引かれます。
それに、是非とも世界最強の剣術をこの目で見て、この肌で感じたいのです。
そして、まだまだわたしは強くなりたいのです。」
いろいろリスクが考えられたとしても、わたしの剣を認めて貰えたのなら、ここで教えを請い手合わせしないことの方が勿体ないと感じた。
「次の任務までどれくらいの期間があるか?」
「1ヶ月でございます。その後はイーストブルーでの任務が控えております。」
「ならば、それまで俺の居住地での修行だ。あそこなら障害となるものはなにもない。それに武装化した獣もいる。
いい修行の場になるだろう。」
「有難うございます!
家事など家政婦がやることは得意ですし、医術も提供できます。
そういう類いは何でもいたします。
それくらいしか引き換えるものがありませんが、よろしくお願い致します。」
「充分だ。我に学ぶところがあれば全て学び尽くせ。
リドル・ユリ。
オマエの強さを欲する心の先の未来を鮮烈に思い描き
俺に全てをぶつけよ。
手加減はなしだ。」
「有難うございます。お願いします!」
感極まって思いきり頭を下げると、フッと小さく笑ったのが聞こえた。
頭をあげようとした瞬間ガシッっとお腹に手が回ってフワリと身体が宙に浮いた。
「え!?」
状況に頭が追い付かなくて頭が真っ白になった。
ミホーク様を見るとさすがのポーカーフェイス。
「こっちの方が早い。
それに、オマエを待っている間に送りの船は出払った。」
咲は止めることもせず、二人分の大きさにむくむくと大きくなり瞬く間に飛び始めた
「ちょっと咲!どう言うことよ!」
チラリと振り返った咲は『してやったぜ☆』とでも言いたげな目をして笑ってた。
そして咲が視線を戻した時感じたの。
________ダイジョウブ
____________ナニカアレバ
_______ボクガユリヲマモルカラ
それまで、この状況に抵抗していた気持ちはどこへやら。
咲が発した言葉で、どれだけこの子がわたしのことを思ってたのかを知った。