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使命と約束[ONE PIECE]

第5章 赤い腕章


会議室を出て一人になってしばらく。


後ろに男がたったのがわかる。






「クザンさんですね?お初にお目にかかります。」


「あーららー。ばれちゃった?君の見聞色も精度が高いのねー。」


「何のご用でしょう?」


「いやぁ、噂に違わないくらい美人だね。オッサンも惚れそうだわ。」


「用件がないのなら失礼します。」


「あららら、本題はこっからさ。

これ、君の妹かい?」


クザンはひらりとユキの写真を差し出した。


「紙面で出された事が全て。それ以外に話すことなどございません。」


クザンが鎌かけににきたと言うことを一瞬で見抜いたユリは迷うことなく否定した。

ここに来る前にハンコックに言われたように、状況も何もわからないままで動かない方がいいと言われたからである



"新聞に出ていること以外立ち入らせてはいけない"


これでも、四皇幹部と渡り合えるくらいの実力はあるし、敵に対しポーカーフェイスを貫くことは容易だ。

嘗めないでほしい。


こちらから情報を渡して妹に危害がある可能性を含んでいる内はこちらから情報を渡さない。



そう思っての判断だ。



「そっかぁ。つれないねぇ~。

この子さぁ、マリージョアで見かけたんだけど、君の実のお兄ちゃんと似てるんだよねぇ。

名前がどうも偽名じゃないかって疑惑も上がってんのよ~。」



偽名疑惑と兄上に似ているというだけの情報しか得てないのなら、ユキのためにも悟られてはいけない。


マリージョアということはユキはハンコック様のお話にもあった革命軍のスパイなのかもしれない。


「そうですか。無駄話に時間を割く気はございません。わたしの情報は紙面でお読みください。」



「10数年前、シャボンディ諸島でちょっとした噂になっていてねぇ。


『どんな人拐いや海賊からも軽々逃げちゃう幼い3人兄妹がいる。』

って話。

その兄妹の真ん中がユリちゃんだったりしてね。」


見透かした目でこちらを見るクザンの表情にゾクリと背筋が凍るのを感じた。



クザンはニヤリと笑みを一瞬浮かべ、スッと背を向け歩き出した。


「まぁ聞きたかったことはそれくらいね。

美人さんには変な虫つけて帰らないように用心しなさいよ~。」



そういって手をヒラつかせながら去っていった。
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