第5章 赤い腕章
「鷹の目。随分知ったような事言うじゃねぇか。
お前もコイツと面識でもあんのか?
まぁ、今でもお前と赤髪との接触の話は聞くがなァ。」
「お前に言う義理がない。」
彼はいたって冷静に腕を組んでこちらに目を合わせる素振りを一切見せなかった。
「センゴク。だいたいこれまで七武海は海賊で構成されてきたんじゃ。
白髭や赤髪と戦争にもならん限りこの人は無害。鷹の目の言う通り、下手な真似などしない。」
「妾もユリの性分は存じておる。
海賊でも革命軍でもない、商船の護衛に七武海の称号は要らぬはず。
海軍がユリの力が喉から手が出るほど欲しがるが、既に海賊どもの驚異にはなり得ているであろう。
これ以上何を欲するというのじゃ。」
ジンベエもハンコックもユリの意志通りに進むよう説得した。
「ふん。よりにもよって七武海三人が関係あるとはな。
歳も二十歳すらいっとらん女が…とんだ化け物がでできたもんだ。」
センゴクは先ほどの怒りを収めて、ユリの目をしっかりと見た。
「わかった。リドル・ユリを本人の要求通りの条件で七武海ではなく商戦護衛登録扱いとする。
以後登録者召集には必ず参加するように。」
「承知致しました。元帥殿、有り難うございます。ジンベイさん、ハンコック様、ミホーク様そしてガープ中将。お言葉添え誠に有り難うございます。」
ハンコック様は優しい顔を向けてくれ、ジンベエも安心したように一息ついた。
そして緊張感で張り詰めた会議も終わりそれぞれが部屋を後にする。
「リドル・ユリは手続きがある。下の階の事務課へ移動を願いたい。」
「畏まりました。」
ふとハンコック様を見るものの
ハンコック様を送る軍艦は早々に出るらしく、まだ話したいことがいっぱいだったのに後ろ髪を引かれるようだった。
ジンベエはここの空気を吸いたくないといってたのもあり早々に出てしまっている。
わたしもすぐに出たいのにとひとつため息をついて部屋を後にした。