第5章 赤い腕章
海兵によって大きな扉は開けられると同時に強い力を伴った視線が一気にこちらを向いた。
「ホォゥ、お前が噂の海の女神の2代目、”リドル・ユリ"か。
まさか、女帝と共に現れるとはなァ。フフフフフフ…」
テーブルに足を高くくみ上げ、#NAME1#に舐めるような視線を送るのは、七武海の海賊でドレスローザ国王。裏の顔はjokerとも言われる悪のカリスマ”ドンキホーテ・ドフラミンゴ”別称”天夜叉”。
「気安く呼ぶでないぞ、天夜叉。貴様のような下衆の目にも触れさせとうないくらいじゃ。」
ハンコックの威嚇するように冷たい声が、怒りから溢れ出す覇気によって室内の緊張をさらに高める。
「随分な気に入られようだなァ。興味しかわかねェ。」
全く動じないドフラミンゴは少し身を乗り出し、舌なめずりをし、ユリの上から下までジットリ見る。
「ユリさんは白髭海賊団の娘じゃ。
隊長達とも張り合えるくらいの実力がある。
貴様なんぞになびくことも、屈することもせん。」
ジンベエの言葉を聞いてるのかいないのか、表情を変えないまま口角を吊り上げ、蛇のような目付きのままでユリから目を離さない。
「どうやらここにはお前の知り合いが多いようじゃねぇか。
そうか海峡のジンベエは白髭とも繋がりがあったなァ。
デケェ海賊団の後ろ楯を二つも持ちながら、海賊の道を選ばず商船の護衛とはなァ。
その歳にして、他に例がねぇ経歴と人を虜にしちまうオマエに興味があって来た。
どういう回答をここでするかもなァ。」
ドフラミンゴに賛同するように、
ジュラキュール・ミホーク、
バーソルミュー・クマ、
サー・クロコダイル
が、ユリを見据える。
「このような場に、若輩者で、まだ人としても戦士としても未熟なわたくしを
お呼び戴いたこと身の引き締まる思いにございます。
そして、この場に集まられた七武海の方々に興味を持っていただいた事、
光栄に思っております。」
頭を下げることなく、ただ前を見据え凛とした声を響かせた。
「フフフフフ、噂どおりの堅苦しい礼儀正しさ。
女帝と並んでも見劣りしねぇなァ。」
緊張が最高潮に達した時、正面の入り口が開き、センゴク元帥とガープ中将が入室した。