第1章 幼い士族が抱く使命ー序章ー
「ははは!それはこれから勉強すればいい。医者の勉強にも興味があるのではないか?」
「はい。たたかうせんいになりとうございます!
せんいになるためのせんせいは、まるこにしてほしゅうございます!」
ん?俺か!
そんな笑顔で嬉しいこと言ってくれるかよい!
でも、医療技術や熟年度はあのクロッカスの方が上だと思うが....。
「俺でいいのかよぃ?レイリーの仲間にもクロッカスって名医がいるぞ?」
嬉しいが、こんなに知識をもつなら、別のところで鍛えてもらった方がいい。
勿体ない。
「いろんなかたから、まなびとうございます!でも、まるこがいちばんのせんせいおねがいしとうございます!」
即答だ。
「そこまで言ってくれるかよぃ!わかった。こっちに来たときには、みっちり教えてやるよぃ!レイリーのところに行けるときはこっちから来るよぃ!」
責任重大だが、俺の勉強にもなるだろう。
そこまで言ってくれるんだからと、了承した。
そうだ。ユリは俺が責任もって、能力の研究をするっていうことで守っていかなければならない。
だったら、コイツの能力に合わせていろいろ教えられるのも俺しかいねぇんじゃねぇか?
そう考えれば、俺は適任かも知れねぇよぃ。
よし、受けてやろう。
普段はそんな簡単に人の師匠になんてなりたくねぇ。
ここ数日で見たコイツの姿勢や知識、判断力。
それらが既に俺にとっちゃぁ合格ライン。
というより、楽しみだ。
師匠になってやると聞いた我が弟子は、嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねて、またまた俺の首に手をまわして飛び付いてきた。
俺の可愛い弟子の誕生を
ビスタは微笑ましく見ていた。