第4章 力を持つ者の使命と宿命
数百年の昔の話
当時からもワノ国を納めていたのは光月家であり、側室が当たり前だった時代は後継者になれる男児も10人もいた。
そんな時代下級庶民で明日の暮らしも厳しい家庭で18歳になる娘がいた。
名をユキノという。
ユキノは生まれつき色素が全くなく身体中のあらゆる所すべてが白銀で、瞳も薄い灰色。
当然の事ながら皆と容姿が著しく違うことで同じ集落の人間は白い悪魔とか妖怪だと言って罵った。
しかし、それ以外は容姿端麗で、親からは神様の生き写しとして大事に育てられたため、回りからの罵声など気にせずとても明るい勤勉で働き者の娘であった。
そんなある日、突然の雨に打たれ、雨宿りをしようと人気のない物置のような場所で雨宿りをしていると、商人のような風貌をした同じ年頃の青年とであった。
名を朝太郎といい、家に帰る途中で雨宿りを余儀なくされたと言う。
朝太郎はー目見て女神のようだと恋に落ち、交際を申し込むもユキノは身分違いだと最初こそ頑なに拒んだ。
しかし、朝太郎あまりの熱意と誠実さに心を折られ、交際に発展した。
二人は共に人生を添い遂げる事を意識し始めたのだが、朝太郎は、その話になると難しい顔をよく見せ黙りこんでしまう。
そんなある日ユキノに打ち明けたのが、自分が光月家の側室の長男であり、添い遂げるのならば、駆け落ちして身を隠す他ないという事実。
それでも、ユキノはその時、身を滅ぼすほど朝太郎に惚れていたためそれでも一緒に生きたいと言い、
二人は計画を練って翌月に鈴後の山奥へと駆け落ちした。
極寒ではあるものの、見つかることもないし、衣食住も工夫すればどうにかなるような廃墟化した村に身を潜めるかのように暮らしていた。