第4章 力を持つ者の使命と宿命
ルカさんに自分の部屋を教えて貰い、荷を下ろした後部屋を案内された。
操縦室、浴室、医務室、倉庫、食堂、会議室などそれぞれの個室を教えて貰いながら、すれ違う船員に挨拶と自己紹介を交わした。
全員戦闘力があるのは新世界支部の特徴で、その中の主要戦闘員は2人。
船医のエデルと情報収集操作師のミゼル。
二人は綺麗なブロンドのウェーブがかかった髪で20代半ばくらいの兄弟。最近では懸賞金で言えば船長が4億越えの海賊団を二人で壊滅させたらしい。
二人とも職業が違うのではないかと思うほどの高身長かつ容姿端麗で、佇まいや言葉遣いも何故か威厳を伴っていた。
弟の方のミゼルは毛嫌いするように睨みを効かしてきた。
「二人ともあの容姿だから女の子の人気が高いんだけど、弟のミゼルはどっちかっていうと我儘で闇が深い子でね。エデルは無表情、無口だけど真面目で弟思いな子よ。」
と、教えてもらう。
任務によっては僅な時間でいろんな支部や分店に行くことになっているし、半年で隊長になることが決まっている身としては、何を聞いても人に優劣つけることなく良いところだけを伸ばせる上司でありたい。
「疑ったり自分の意見や思っていることを言って貰える方が私としてはありがたいです。
まだ、私は新参者の中の新参者ですから。」
「あなた本当に海賊の娘?彼らと同じモノを感じるわ。」
そういわれて過るのは、私を育ててくれた3つの海賊団。
彼らを誇りに思うからこそ
「私はあくまで海賊に育てられた娘です。」
そう言いきった。
優しく微笑んだルカさんは
「貴女を歓迎するわ。」
と再び一歩先を歩き始めた。