第4章 力を持つ者の使命と宿命
ここで、下手な予測など出さない方がいい。
白菊様が会いに来ているかも知れないと。
「ありがとうございます。あちら側の責任者はどなたが来るのでしょう?」
「リックマウンテンの取引の責任者は将星カタクリだったはずだ。この船も、ビッグマム側もそこのライスパウダーとナッツが目当てだ。
気候や土地柄的にも穀物が最高品質でここに勝るものはないからな。
今年は豊作だと聞いているから恐らくトラブルはないと思うが、念には念をだからね。」
父さんの話では白菊様のおかげで国潰しはなくなっていると言う。
それにリックマウンテンの取引責任者が白菊の夫であるカタクリだとしたら、尚、この地は安全だと思うのはアマい考えなのだろうか。
「今回のビッグマムの方にちょっと問題があってね.....。いつもは国潰しの時でない限り3隻で来るんだが、なぜか今回は異様に多い艦隊なんだ。
本船合わせて11隻の艦隊で来ているらしくてね。
君を呼んだのは他でもない。奴等に妙な動きがあったからなんだ。」
いや、そっちから話してよと突っ込みたくなったのをグッと堪えて考えた。
通常ではあり得ない艦隊での来航
相手はカタクリ
そして新聞が来た後というタイミング
8割の確率で白菊様が乗船している。
そして私をここに寄越すように大艦隊で来ている。
私目当てで来ているになら、おそらく白菊様は私に直接会いに来る。
大方間違いないだろうと思うと緊張が走った。
「恐らく私をそこに呼びたかったんでしょう。
私は彼女と同じ悪魔の実よりも希少な能力の持ち主ですから。
もしそうならば、攻撃の意図はないでしょう。
勿論、そうでなくても私が責任を持って対処します。」
「ならばいいが.....。」
リアン船長は無精髭を触りながら思案する様子だった。
「とりあえず、アイツ等との距離が近づくのは3日後くらいだろう。
ルカに部屋でも案内してもらいなさい。」
「承知しました。」
軽く頭を下げると私は部屋を出てルカさんの姿を探した。