第3章 覚醒をはじめた証
付けてもらったペンダントのトップをよく見ると父さんのジョリーロジャーの後ろに不死鳥の青い炎があしらわれたもの、
父さんのジョリーロジャー、
イゾウを表しているのか、父さんのジョリーロジャーの後ろに操縦をクロスさせたものと、
同じくジョリーロジャーの後ろにサッチ兄さんの双剣がクロスされたものが4つ追加されている。
色があるのは父さんのジョリーロジャーの骨の部分と青い炎の部分。
青い宝石は多分ジルコン。これは御守りの意味か生命力、無限、行動力。
紫はスティヒタイト、これは就職祝でのチョイスか人間関係の御守り。
「明日はそれを付けて行けよい。あとは、親父と俺のビブルカードやっとくよい。
いつでも遊びに来い。俺らは家族だろぃ?」
その紙の持ち主の命の状態といる方角を示す"ビブルカード"を私の手を強く握って渡してくれた。
どうしよう。またいろいろ嬉しくなってきて涙が溢れそう。
涙を堪えようと唇を噛むとマルコが私の顔を覗きこもうとしたから咄嗟に顔を反らした。
「そんなちょっとした事でもいちいち可愛いって思ってしまうよい。ユリ。
こっちは妹として俺の弟子として見てやりてぇのとそうもいきそうにねぇので自分の中で戦ってんだぃ
だからせめて嬉し泣きでも笑っとけよい。
俺の妹のままでも弟子のままでも、もし選んだのが他のヤツでも俺はお前の本懐をやり遂げるのを見届けてやるよい。
それは今も気持ちは変わんねぇ。」
感謝とか嬉しいとか、申し訳ないとかいろんな感情が涙になって止めどなく流れ続けるけど、
言われた通りに笑った。
「それでいいよい。落ち着いたら帰るよい。」
「有難う.......。」
「泣き虫なお姫様だよい。」
その声にムッとしたけど、向けられた笑顔の優しさに言い返す気持ちを引っ込めた。
暫くして満点の星空に青い火の粉を撒き散らしながら青い鳥が飛び立った。