第1章 幼い士族が抱く使命ー序章ー
敵船が来て出向いたのは俺とビスタとマルコ。
相手は4隻。思ったより歯は立つが正直問題なさそうだ。
うっかりビスタが傷ついたようだが何てことなく、すまねぇなと言う髭がクールだぜ!
船のあっちこっち二人でぶった斬って、敵も半減したところで、あいつらと遊んでやりたいなぁと考えている余裕ができたとき、ふとビスタの動きが鈍くなり、地につきそうになってきた。
「やっべ!.......おい、ビスタ!しっかりしろ!」
「おいおいよそ見なんざ随分と余裕じゃねぇか!」
ガキイィィンと鋭い音が聞こえたと思って振り替えると俺の後ろにはジョズが立っていた。
「帰ったら、あの3人に感謝するんだな。サッチ!ビスタを医務室へ連れていけ!」
「解った!わりぃな!
おい、ビスタ行くぞ!」
抱えてみてようやく解ったが、こいつ痙攣してる。焦点が合ってない。
毒か?
いち早く片付けたマルコが都合よくこっちに来てくれた。
俺の肩でグッタリもたれ掛かるビスタに気づいたらしく、目を丸くした。
「おい、ビスタ!何があった?なぜジョズがこっちに?」
毒かもしれないと言うとジョズは後で迎えに行くよぃ。といって、即マルコに乗ってモビーに帰り、おれ達を下ろして、マルコはまた飛びだった。
親父が後ろから来て事情を説明すると、小さい末っ子3兄妹が気づいてジョズを行かせたと言うから驚いた。
親父の後ろから
ユリが走ってきた。
「さっち、びすたみせて?」
傷口か?
抱きかかえたままユリに傷の或腕を見せる。
傷口、顔など見るとナースと船医に告げた。
「らんらんそう、おおべにがえるのひふのどく。げどくざいある?りーざ。」
親父の忠告通りに俺と親父と医療班だけにしか聞こえないように言っている。
子供の会話とは思えねぇ。どうなっている?頭ん中。
後ろの親父もリーザも驚いたようで目が真ん丸になっている。
「ないわ。もしかして、どうしたら良いか知ってるの?」
「ひとおおいから、いむしついく。そこでいう。いこうりーざ!」
「えぇ。わかったわ。」
「わたし、ちょっとにもつとりいく。」
そう言って3兄妹の部屋に走っていった。