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使命と約束[ONE PIECE]

第3章 覚醒をはじめた証



今、幼い頃に何度も乗せてもらったマルコの不死鳥の背中。

咲と違って持ち手を取り付ける事ができないため首に手を回すようにして上昇や下降を耐える。



小さかった頃には大きすぎたマルコの背中も、大きくなってみれば、大きさでは追い付いてきた感じもある。




それでもやっぱり大きく感じてしまうのは、長い間海の上で父さんを支えながら兄弟を統率してきた人で、誰に対しても器が大きく優しいのは変わらないから。




でも、以前には感じなかった炎の勢いや温度、マルコ自身の体温がどこか感傷的に感じた。






理由は私と白菊様でしょ?







シャンクスの時と比べて白菊様への気持ちも、私へ向けられたものも強くて深いもののように感じた。




マルコは優しいから私だけ思っていたとしても白菊様と同じ顔らしいこの顔が、どうやっても重ねて見てしまうっていうことなのかな......。


それが嫌なんだよね?







まだ、心からそんな風に一人の男の人を愛したことはないけど、いろんな人の恋心を読んだ経験と小説を読んでそう思った。






人の過去の話は本人が話したくなってから聞くもの。



私が踏み込んでいい問題じゃない。








人の気持ちがある程度解ってしまうこの体質は慣れてしまった。




でも、自分にとって近しい人ほど強く読めてしまうコレは悲しい気持ちや怒りの感情が強いほど自分を苦しめる。




時にそれで自分を見失うことがあるかもしれない。

相手に何も言わせずに一緒に背負っていけるのは特権じゃないか。





私の事を大事に思ってくれる人は私にとっても大事な人。





でも、それは家族という枠組みから出た気持ちはない。





マルコは大海賊団のNO.2であるにも関わらず、優しすぎる。


それは私だけに限ったことじゃなくて兄弟や父さんに対しては尚更だ。



一人で抱え込んだりすることも自己処理出来ないでそのままにしておくのも何度か感じた。




彼にこそこの体質は必要だと思う。そういう時がこれから荒れ狂い始める時代にあるかもしれない。




父さんのためにも兄弟のためにも、兄上がシャンクスに恩返しをするなら、私がここを家としてディルバリーに出社するかたちで恩返しをしようと密かに決めた。

勿論父様たちにも。
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