第3章 覚醒をはじめた証
「でもさぁ。ユリちゃんのまわりの人って結構自分でどうこうできちゃう人って感じだよね。
ってことはさ、メンタル的にこの人を守ってあげられるのは自分しかいないって思ったり、
まだまだ力とかが伸び盛りの段階の人だと案外弱いのかもね。」
「なんだか勝手に分析されてるし....。
どうなるかは解んないよ。海も広ければその分いろんな人がいる。
どう転んでも中途半端なお遊びはしないよ。
戦う運命の人は明日の命すらあるのか解んないんだから。」
「ユリちゃんはやっぱり侍だね!」
ニコニコして頭を撫でてくる。
やっぱり解ってるけど、長い年月ここにいようが、ここでは最年少と言っても過言ではない。
まだ子供とでも思ってるんだろうかという手つきで複雑な気分。
そろそろ一人立ちしていくから同等に見てくれないだろうか.......。
「お、もうお揃いか。ユリにはいつもの時間だったか?」
「あ、おはようございます!今日はよろしくお願いします!」
「改まるな。俺こそ最近は傘下ばかりで片付いてしまって腕が鈍りそうだったんだ。」
お決まりのように髭を弄りながら紳士な笑みを浮かべて私のとなりに来るビスタ。
プレートにはサラダとフルーツとチキン。
やはり隊長さんだけに食事と健康管理は欠かさないらしい。
なんだろう。
いつもと違うメンバーでの食事ということもあって、新鮮味があって良い。
そう思いながら朝食を楽しんだ。
後から食堂に来た他の兄弟からは珍しい顔合わせだとざわついたとかいないとか。
因みにこの日、いつもの3人組はマルコは徹夜で書類整理、サッチは偵察、イゾウは未だ帰ってこずだったらしい。
食事を終えた3人は小型船に乗り込んで無人島へと向かった。