第3章 覚醒をはじめた証
朝が来ていつもの習慣を済ませ朝食に向かうとハルタが笑顔で走ってきた。
「ユリちゃんおはよう!ビスタから聞いたよ!
今日手合わせするんだって!?俺も入れてくれるなんて嬉しいよ!!よろしくね!!」
早朝なのにもかかわらずお昼のようなテンションで来たハルタの勢いに気圧される。
「あ....う、うん。よろしく!」
表情が笑顔で固まったまま、目だけがパチパチと動くのをハルタに笑われ思わず顔が赤らむ。
「ハハ。ユリちゃん面白いね!
普段はマルコ隊長とイゾウ隊長とサッチ隊長がベッタリだからちゃんと話してみたいなって思ってたんだ!!
今日は一緒にご飯しようよ!」
「そうだね。いいよ!」
人懐っこさと童顔さから絶対年下だって思ってたほど弟気質。
歳上でまさか7歳も上だとは思わなかった。
でも、一番歳が近い分だけあって話も噛み合ってて面白い。
しかも話も上手で、自分のペースに巻き込むのが上手い。
話してて思ったのが思ったより博学で頭が切れる人だった。
武器の歴史や作り方から、縄張りの地理と民族性は誰よりも熟知していて、人当たりもいいから縄張りの島によってはファンも多いらしい。
「ところでさ、ユリちゃんは好きな人とかいないの?そういう年頃でしょ?」
「あぁ、そういうのは今はいいや。
これから戦場の最前線に立たないといけないから別に守って貰うのはして欲しくない。」
「じゃぁ、俺狙っちゃおうかなぁ?
ユリちゃん良い子だし、美人だし。」
なんとまぁ軽いノリ........。
さらっと言いますね.......。
可愛い顔で。
冗談で言ってるけど本気が混ざってるともとれる態度と声色。
「あらありがとう。狙うのは良いけど恐らく今は靡かない自信ある。」
「あちゃぁ、フラれちゃったかぁ。」
とテヘペロしながらおチャラけて言う。
その可愛さを見て思わず"女子か!"と突っ込みたくなったのは内緒である。