第3章 覚醒をはじめた証
ふと、思い出した昨日考えていた手合わせをする件。
3日後の朝発つから今日頼まないといけないんだった。
ここに適任がいらっしゃる
どうしよう。最近隊長になったハルタともやってもみたいけど。
「ねぇ、ビスタ明日時間ある?」
「あぁ。明日も特にはすることないな。」
「なら、お手合わせお願いしたいんだけど」
「いいぞ?いつからするか?ぶっ通しでもかまわんぞ?」
何この即答のようなトントン拍子。
「え......そんなに即答でいいの?忙しくない??」
「サッチが昨日騒いでたぞ?俺たちの妹が護衛隊長になるって。
手合わせするなら明日しかなかろう?
次の日は帰り支度の後宴だって4番隊が騒いでたからな。」
「あぁ.....成る程ね。」
嬉しそうな顔でペラペラ話すのが容易に想像できた。
絶対的な秘密事項は守ってくれるのだが、私にとってプラスであることは絶対喜んで周りを巻き込み喜ぶタイプだ。
喜んでいってしまうのは嬉しいんだけど恥ずかしい。
「前日の夜にごめんなさい。でも、本当にいいの?」
「可愛い妹のためだ。本当は頼まれるつもりで声をかけたんだ。
一緒に飲みたいと思ったのも本当だがな。」
ハハハと伯爵のような低く滑らかな声で笑うビスタに感謝を伝え、手合わせのできる場所を教えてもらった。
移動を考えると朝食後にここを出ることに。
小型船で行くことになり結局ハルタも当日誘って大丈夫なら連れていくことになった。
「じゃぁ、それ飲みきったら早いとこ寝るぞ。
一応、過保護なやつらが心配するから部屋まで送る。
明日の手合わせの方はハルタには俺から言っておく。」
ビスタはそういうけど、ビスタも結構いろいろ融通利かせてくれたり、遠目からでもよく私の事を気にかけてみてくれてる。
「解った。本当にありがとう。」
結局、私が部屋に入り鍵をしたのを確認するまでドアの前にいてくれた。
結局は兄たちの心遣いにホッコリしながら今日を終え眠りについたのだった。