第3章 覚醒をはじめた証
それからはリビングに通され、4人でいろいろな話をした。
4人共通の話題でもあったおでん様のお話。
白髭海賊団の冒険
私の父様との修行、そして研修医としての生活。
ジエゴさんは私が商人の護衛に就くということに驚いていたけど、そういう道もあるんだなぁと感心していた。
日頃用心深く、警戒心が強いイゾウが私とイゾウのお蔵入りの過去の事をこんなに話せるのが解った気がする。
何事にもにこにこして聞いていて、リアクションが大きい。聞き上手なんだ。
私も気を良くしていろいろ話したし、ジエゴさんもいろんな海賊との思出話もしてくれた。
話は盛り上がり、いつの間にか日は傾きだしていた。
「いやぁ、久しぶりに君たちと話ができて面白かったよ。
しかし、ユリさんも隊長さん達や他のクルーにも沢山可愛がられているんだね。
うん。気に入った。
君も俺の蝋人形のコレクションの仲間入りさせて貰ってもいいかい?」
満面の笑みで握手を求めてきたジエゴさん。
だけど、私は海賊の娘でありながらも、商人の護衛官になる身。
それでもいいんだろうかと思った。
「いいんですか?私海賊じゃなくなっちゃいますけど......。」
「私からすれば充分海賊だ。海で命懸ける戦士に代わりないだろう?是非作らせてくれ。」
差し出された手を両手で握り返して固く握手を交わした。
「出来上がるのは1ヶ月後だ。またここに来るときに見に来なさい。」
「有り難うございます!!楽しみです!」
海賊の次に海を愛して知っている人に認めてもらえた気がして凄く嬉しかった。
「ハハっ。喜んで貰って良かったよい。」
「あぁ。」
二人の様子を見ていたマルコとイゾウは、自分の妹が気に入られ、作品になることを喜んでいた。
「次くるときは彼氏の顔も見れるかな?」
知ってか知らずか、マルコの方をチラッと見てそんなことを言ったジエゴさんだった。