第3章 覚醒をはじめた証
物盗りの男らを片付けて、また二人の後を歩きだす。
何故か丘の方へ進む。
「どこに行くの?」
「あぁ、これから凄げぇ職人の所行くのさ。ビックリするぞ!姫のも作って貰いたくてな。」
「何を?」
「着いてからのお楽しみだよい。」
私の手を引きながら楽しそうに前を行く二人。
頭に?マークをいっぱい詰め込んで混乱している表情を楽しまれても隠しきれず、引きずられるようにして連れていかれた。
暫く歩くと八百屋さんかと思うほど沢山の果実や野菜を並べてある一軒家に着いた。
何かそれらに違和感を感じてジーと見ているとそれが偽物であることがよくわかった。
「これ、もしかして蝋でできてるの?」
「あぁ。蝋細工だ。もっと凄ぇのあるからな。まぁ見てろ。」
イゾウが私の反応を楽しむかのように笑っている。
どうやらここは蝋細工職人さんの自宅兼作業場のようだ。
「ジエゴー!!俺だよい。いるかい?」
すると扉がゆっくり開いて中から高齢の腰を丸めたおじいさんが出てきた。
「あぁ、マルコ君とイゾウ君!よく来たね。
そちらさんがリドル・ユリさんかな?
話は二人から聞いているよ。」
「え?あっ、はい。家族がお世話になっています。
表にある作品、本物そっくりですね!!凄く美味しそうで蝋細工だなんて思いもしませんでした!!」
「ガッハッハッハ!!礼儀正しく誉め上手なお嬢さんだ!!白菊さんにそっくりだが親子かな?」
「いえ、彼女と同じ能力を持っていて、似ているのはその副反応のようなものです。
一応どこかで血の繋がりがあるようですが.....。」
「ジエゴ。この人がおでん様の側近だった家の姫だよ。俺がその家の忍の息子だったんだ。」
イゾウがさらりと私とイゾウの過去を言うものだから驚いてしまう。
もはや、目の前にいる3人は親族の集まりと言えるほどの馴染み様で私だけが頭が追い付かない。
が、話を聞いていると、ジエゴさんが海賊が好きでいろんな海賊に会ってきたんだと解った。
「じゃぁ、ワノ国の侍か!おでんさんにも会ったことがあるが、勇ましくて豪傑という言葉がピッタリな凛々しい海賊だった。
イゾウ君からおでんさんがお殿様と聞いたときは驚いたよ。」
あまりにもイゾウが過去の事を話している事に驚いてフリーズしてしまった。