第3章 覚醒をはじめた証
暫く歩いて辿り着いたのは、一軒のアクセサリーの工房も兼ねた店舗。
3人で入るとドレッドへアにターバンを巻いた店主が出てきた。
「お!いらっしゃい!今日は隊長達が来てくれるなんてなぁ。
おや?そ.........そちらのお方は?」
ユリに気づくと顔を赤らめて急に畏まりだす。
「ん?こいつは俺たちの妹だよい。
お前も感じたようにこいつに好意や下心を持って近付く男が多くてねぃ。
一人立ちするから祝いに御守り代わりと思って頼みに来たんだ。」
「デザインはこれで頼むよ。急かせてすまないが、妹が3日後ここを出るんで、前日の夕刻までに仕上げて貰えるかい?」
イゾウがユリに見えないようにデザイン画を書いたメモを渡した。
そのメモをじっくり見た後チラリとユリの顔を見て微笑み、それを会釈で応えた。
「そういうことなら任せてくれ。
しかし、隊長達が大事にされるのが解る気がするよ。
スゲー美人だし気立ても品も良さそうだ。」
「ヤッさんはお目が高いねぇ。じゃぁ、明後日の夕刻に取りに来るよ。」
値段を聞いて支払いを済ませて店を後にする。
店主の気配りかユリに聞こえないように見られないようにその流れは済まされた。
「お待ちしてます!!」
「あぁ。よろしく頼むよい。」
店主に見送られて店を出た。
「二人ともありがとう。なんか気を遣わせたかな?」
気まずそうに二人を見るとイゾウは首を振った。
マルコも
「あれ一つで抑止力になるなら願ったり叶ったりだよい。
ユリは俺たちや赤髪の船には乗らないんだからな。
いつも俺たちがいる事忘れんじゃねぇよい。」
と私の肩を叩いて笑顔で笑った。
「うん。ありがとう!」
でもなぁ、貰ってばっかりだと申し訳ないかぁ
そんなことを考えてふと閃いた。
今月は10月で目の前の二人の誕生月。
どこかでいいお店見つけた近くで隙を見つけて買いに行くことにした。