第1章 幼い士族が抱く使命ー序章ー
ユキの怪我が綺麗に治りまた一頻り遊んだところで、帰路についた。
帰る途中で親父にと草花でブーケを作った妹二人は、意外にも女の子な一面もあるんだなぁと目を細めた。
ユキがまるも!といって俺に差し出した花は不死鳥の姿を連想させたのだろう、真っ青な小さい花だった。
花を摘み終えると
帰るときも速い速い。あっという間にモビーだ。
そのまま、親父のところへ行った。
「親父今帰った。入るぞ!」
「あぁ、入れ。」
「とうさん!/親父!今帰りました。」
扉を開けると新聞を読みながら、酒を飲んでいた。
「おかえり。たんと遊んできたか?髪も服も似合っていて良いじゃねぇか!グララララ」
妹たちは頬を赤く染めくるくると回って見せた。
「ありがとうございまする!とうさん、これうけとってくださいまし!」
「グララララ、綺麗だ。なかなか色のセンスあるじゃねぇか。ありがとな!」
ナースにその草花のブーケを活けさせ、島での話を聞いた。
そのあと、ナースが3人を風呂につれて行ったあと、報告があるからと、部屋に残った。
「親父、ヨシタカ達のことで沢山報告が.....。」
「なんだ。おめぇ、珍しく疲れてんじゃねぇか?さてはあいつらに振り回されたんだろう?グララララ」
強ち間違っちゃいない。
俺はあったこと見たこと洗いざらい喋った。
「見聞色も足の速さにも驚くが、ユリの傷を治す力は隠させてよく調べた方が良さそうだなぁ。
下手して力が見つかりでもすりゃ、政府の玩具になり兼ねる。」
「俺もそう思うよぃ。」
「シャボンディー諸島に着けばレイリーにも言わなきゃならねェ。
まずはあの3人に言わなきゃならねェなぁ。
隊長等にもな。」
「いつにするよぃ?」
「明日の朝だ。飯の後で良い。」
「よぃ。」
その他話をまとめたところで、俺は食堂へ向かった。