第3章 覚醒をはじめた証
ディルバリーの船に戻ったあとは、各エリアの船や、船員、医療設備を教えて貰って、危険な海域や、勢力が強い海賊とその特徴を教えて貰った。
咲は野生の勘が強く、危険な風が吹く海域は飛ばないが、万が一船がそのエリアに入ってしまったときに近くにいたら派遣するらしい。
そして、支店がある島が海賊に占拠される恐れがあるときも私の任務になるそうだ。
要するに危ないときは私はそこの最前線で戦うことになる。
任務の内容で言えば隊長候補ではなく、既に隊長扱い。
言い換えれば、それほど強い人材を欲していたっていうことである。
そこまで期待されてるのなら一度マルコか他の隊長に手合わせして貰うべきだ。
正直、現時点では兄上よりは確実に弱い。
人生で一度も兄上に勝ったことがない。
手段持ちって思ってるくらい戦う手段はいっぱい持ってるのにだ。
しかし、グランドライン前半の海と4つの海で強いと思った海賊と応戦していない。
研修期間に一度だけ、最新医療技術の学会でフラりと来た北の海(ノースブルー)の男。
医者が羨む能力を戦闘にも駆使していて、私をまだ旗揚げしていない海賊団の仲間に引き入れられそうになったことがある。
嫌だと言ったらなぜか戦いを挑まれて私が勝ったんだけど、正直あの能力は苦手だ。
正直、四皇の幹部以外に私が強いって思ったのは今のところ彼ぐらい。でも、それも今は弱いが素質があるという意味。
でも、もし、おトキ様が決められた20年という月日になにか意図があるというのなら、これから強い海賊が続々現れるという可能性もある。
つまり、私も強くならなければ自分の未来にも、会社の未来にも貢献できない。
食事会で、護衛隊の戦闘力を聞いたけど、強い人は新世界や前半の海に配置されて、あとは素人に羽が生えたくらいだという。
まぁ、商船の護衛なんて、腕を試したい男たちからしたらあんまり目立たないだろうから人材不足も頷ける。
ボルさんとエリさんは、若い子に対して与える責任重いけど頑張ってって言われた。
もうサッチ兄さんとの話で腹を決めたんだ。
やるしかない。