第3章 覚醒をはじめた証
「邪魔してなかったかい?何やら機械の前で話していたようだけど。」
「大丈夫です、ボルさん。むしろちょうど良かったです。ボルさん達にも話したいことができましたので。
で、どう言ったご用件で私を?」
斜め前を歩くボルさんは、何か言いにくそうにポリポリと耳の後ろを掻くと、話始めた。
「いや、ユリに急遽本社会議に出てほしくてね。
映像電伝虫で
東西南北の海の本社と、
グランドライン、新世界本社、
我々総合本部社を繋いで会議するんだが、その前に君に相談したいことがあるんだ。」
そう言われて案内されたのは、第二会議室。会議は隣の第一会議室でやるらしい。
エリさんが冷たいお茶を出してくれて、ボルさんの隣の席に着座した。
「折り入って頼みたいことがあるんだ。君の裁量を見極めて話し合ったんだが、ユリちゃんの研修期間を半年と定めてその後二つの役職についてもらいたいのだが.....。」
「勿論、約束通り時期が来てここをやめる前提でお願いしているの。
やってくれるかしら?」
待って待って!!いくらなんでも、まだ十代よ?
こんな小娘に誰がついてくるのよ。
一気に血の気が引いて青くなってる。
それでも冷静にと自分に言い聞かせた。
「因みにどのような役職で?」
「護衛隊教官長と医療隊長だ。」
「ちょっと待ってください。まだ、私があなた方の組織に加入すると言って半月程度じゃありませんか。
護衛隊は戦いを見ていただいたのもあるでしょうが、医療隊はまだ、私より上がいらっしゃるはずです。
何より、このあいだ研修を卒業した身で医師としての実績は何もないのですよ?」
「あぁ。だからこそ半年という期間を設けている。これは単にわが社だけの問題で言ってるのではないんだ。
ユリちゃん自信を守るためでもあるし、決戦の時のために、いろんな経験を積んでもらいたいそう思ってね。
実際にこの会社も防衛も医療も技術の均等と強化、指導できるような人材が不足しているんだ。
咲君に乗って世界中の現場を一番見ることになる君が引き受けてくれるとすごく助かるんだ。」
ボルさんのいうことも一理あるし、私の事をそこまで考えてくれて言ってくれたことが嬉しかった。