第3章 覚醒をはじめた証
「ここも、赤髪ん所も他の男に世話されるユリを見たくないよい。」
確かにそうなったときのお兄様方の発狂してその男を殺しにかかるところが安易に想像できる。
私も嫌だ。
って、薪焚けばいいんでしょ?何で抱く前提??
「安心しろい。確実に末端が冷えてきてすぐに帰れば問題ないよい。とにかく、ディルバリー船にも赤髪ん所にもこれがあった方が安心だよい。
白菊直筆の設計図があるから、それから作ってもらえ。」
「あ、ありがとう。」
マルコから受け取った紙はワノ国生まれの人らしく筆字の草書でかかれていた。
えーっとディルバリーの船って何隻だっけ。仕組みは簡単そうだから、私が入れそうな入れ物見つければいっか。
どうせなら、おしゃれなガラスの棺探せないかな?ヴァンパイアみたいなのもかっこいいかも。
さすがに保育器っぽいのは嫌だ。
あぁ、そうか。ヴァンパイアと思えば別にいいか。
そう自己完結して勝手に納得すると、嫌な気分はもうなくなってしまった。
「だいたい症状が出始めたら、何度で温めればいいの?湿度とか関係ある?」
「温度は37~40℃これ以上だと低温やけどが心配だ。
湿度は40%切らない方が理想だな。
この装置はそこまで計算されているよい。
あと、ユリは潜在性急性冷体温症の勉強しとくといいよい。
症状と対処法が似てるからねぃ。
絶版になった医学書だし、発症件数事態少ないからな。
白菊の時に勉強したから俺の部屋にあるよい。」
すると、ボルさんが私を探しにやって来た。
「あぁ、悪い。話の途中だったかい?」
「あぁ、いやだいたい話は終わったよい。」
とにこやかに言った後
「質問ならいつでも受け付けるよい。行ってこい。」
と言われてその場を後にした。