第3章 覚醒をはじめた証
父さんと同じく四皇と呼ばれるビッグマム海賊団。
白菊という女性は、たった一人でその海賊団に立ち向かえるほどの力量があったのかと思うと、なぜサッパリと彼女を皇帝と呼ばなかったのかも腑に落ちない。
話の途中で医師が父さんの様子を見に来たが、古くからこの船に乗っていて事情もよく知っているためか通された。
聞かれてもいいのか、そのまま話続ける。
「そんなこともあって、白菊も一時期皇帝と呼ばれてはいたが、政府に都合が悪いこともあってそれはすぐに取り消され裏の皇帝と呼ぶ輩もいた。
そんな中ビッグマムは自分の面子か潰されるのが我慢ならなくなったのか白雪に最高戦力を向けた。
アイツが守ってきた国や島に一斉に攻撃を仕向けるって脅した。
俺も気づけば手を回したんだがな。新聞で見るまでは気づかなかった。
それでマルコが連絡したときには、あのババァの縄張りに連行されてる途中で、出たのは次男坊だった。
幸運か不幸か、奴は白菊を親に殺させないと言ってきやがった。
上手いこと丸め込まれたのか、次男坊に本気で惚れたのか、白菊はそのまま嫁いでそれっきり、表に出なくなった。
あの事件がなけりゃぁ、今ごろマルコが貰ってただろうよ。
マルコが白雪の世話役で、片恋だったが本気で惚れてたみてぇだったし白菊もそれをわかっていたしな。
それで、白菊が万国に渡ってからは殆どあの茶会ババァの国潰しはなくなったし、国も安泰のようだ。
話術も戦術も交渉力もあの国と契約している縄張りの地域を守っていると断言できる。
白菊は本当に海の女神そのものだった。」
器も度量も何もかもが自分をちっぽけだと認識させるほど。
私もその女性と同じ能力を開花させつつあると思うと、今後この身に降りかかる未来が重いものに感じられた。
でも、シャンクスもきっと白菊様の事が好きだったんだろう。
そして、シャンクスとマルコは私が彼女に似てきていることで戸惑ってるんだ。
ふと
私が愛した兄さんたちが少し遠くに感じた。