第2章 自己紹介
「皆さん、今日は名前順に自己紹介をしましょう。」
担任の岡部先生がいう。
『えっ…。』私は心の中で思った。
私の名前は岩辺桜、こう確率で出席番号は1番だ。
「では1番。市川諒くん。」
『ほー。1番じゃなかった。ってえっ…。』
「はい」
返事をしたのは私の隣の席のウザ男だった。
「市川諒です。東京からこの春に来ました。部活は水泳部にしようかと思っているので、同じ部を検討している人は是非一緒に行きましょう。」
『うわ、メッチャしっかりしてんじゃん。っていうか東京って…ここ秋田の男鹿だぞ。なんで田舎に来てるんだ?』
「…。岩辺さん、自己紹介してください。」
「あっ。はっはい。」
『しまった。ボーッとしてた』
「…。い、岩辺…桜です。………水泳を幼い頃からやっているので…水泳部に入ろうと思ってます。あの…よろしくお願いいたします…。」
『ウハー、緊張した。でも、勉強には自信があるんだからね。ここで失敗しても次があるもん。』