• テキストサイズ

【ヒロアカ】許してね、ヒヤシンス【R18】

第33章 サヨナラの先を教えてほしい(裏)



「なあ、水分」

 潤んだ目で俺を睨みつける水分に、その先の言葉を続けて。

「……俺が、嫌いか」

 俺の表情を見て顔を歪めた水分。なあ、俺は今、どんなカオをしてるんだ。なんで俺を見てそんなに苦しそうに顔を歪めて、涙を流す。

 目の辺りが熱くなって、雫がぽたりと水分に落ちた。落ちた雫は水分の瞳から静かに流れる涙と共にソファの布地へ吸い込まれて布の色を濃くする。

 わなわなと静かに震える水分の唇から漏れ出る吐息が辺りを震わせる声に変わった。

「今の先生は、……嫌い、です」

「そうか、わかった」

 なにがわかった、だよ。心の中で毒づいて水分を見下ろせば、また何かを言おうと薄く開かれた唇。

「……私の好きだった先生は、っ、どこへ行ったんですか」

「知るかよ」

 もう黙れ、そう思ってまだ言葉を続けようとする水分の唇に噛み付くように口付けて。もう諦めた様子の水分は抵抗すらせずに甘んじてそれを受け入れた。抵抗もしなければ、なんの反応も見せない水分。それが面白くなくて、胸を握り潰すように鷲掴む。薄く開いた目で見えたのは痛みに少しだけ顔を歪めるだけの水分で、それは俺のこのイライラを助長させるだけだった。

/ 179ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp