第33章 サヨナラの先を教えてほしい(裏)
こんなことをしてしまっては、もう。頭は意外にも冷静でそう思っているのにも関わらず、暴走する体は止められなかった。
水分のブラウスのボタンを引きちぎって乱雑にブラジャーをずり下げる。ぷるんと揺れて現れた白い乳房に噛み付いて、そこに噛み跡をを残して。こんなものをつけた所で俺のモノになるわけでもなんでもないのに、それでも噛み付いて、吸い付いて、気付けば水分の胸には無数の噛み跡と鬱血痕が溢れて。ふと水分を見遣れば虚ろな瞳からとめどなく静かに涙を流していた。
今まで避けていた胸の先を食んで、かり、と噛めば「っい、たい…」とくぐもった声が耳に入る。ちらりと水分の顔を覗き見るように見上げれば唇をぐっと噛み締めて痛みと声を堪えている様子が見てとれた。
「なあ、声、聞かせてくれ」
そう言ってまた噛み付いたが今度は声は漏れなかった。