第25章 静謐に終わりは近付く
あれから数ヶ月が経ってマスコミも生徒も落ち着いた。マイクだけが未だに落ち着かないが。
「なあなあイレイザー」
「……」
「相変わらずシヴィーな!」
「うるさい」
「まあまあそう言わずに!お前水分とデートとかしねーの?」
「……は?」
デート?そんなことする間柄じゃねえと口から出かけて慌てて飲み込む。普通は恋人とそういうことをするもんだと思い至って。
「今まではマスメディアを警戒してたんだろ!?もう今じゃ公認、デートも普通に出来るだろ!」
「……あー、まあ、そうだな」
出来るかバカ、と言いたくなる口を無理矢理閉じて肯定すれば先程まで以上にうるさくなるマイク。
「Foooo!!俺がとっておきのデートコース考えてやるぜ!」
「遠慮する」
横で喚くマイクを無視して考えを巡らせる。まるで本当の恋人のようにデートなど出来るものか。