• テキストサイズ

【進撃の巨人】専業主夫リヴァイさん

第1章 主夫①


 掃除が終われば、次は買い物だ。


 この地域は高級住宅街などと言われているが、少し歩けば下町の商店街があるし、大型スーパーだってある。

 毎日買い物に行くと金はかかるが、にはいつだって美味いメシを食わせてやりたいから、なるべく上手にやりくりしながら新鮮な食材で料理している。


 大型スーパーは便利だが、俺は商店街で買い物をする事のほうが多かった。

 特に行きつけは、ザカリアス精肉店だ。

 ここは夫婦二人で切り盛りしている、小さな肉屋だ。だが品揃えと品質は超一級で、この店で売っている肉で、ハズレたことなど今までに一度もない。

 というのも、店主のミケは人間離れした嗅覚をしており、仕入れの際にはその嗅覚をフル活用しているから、悪い肉をつかまされる事が無いらしいのだ。

 当然、店頭に出した肉もニオイで嗅ぎ分けているので、管理は完璧だ。


「いらっしゃい、リヴァイ」


 威勢良く声をかけてきたのは、ミケの妻・ナナバだ。

 美形だが、やや性別不詳なところがあり、実を言うと俺は最初男だと思っていた。

 背が高く、スラリとした体型に、女に好まれそうな王子様顔をしている。声もどちらかといえばハスキーだ。

 何度か店に通ううちに、店主の妻であることが分かり、本人に気づかれる前に認識を正しくできたことに、俺は心底安堵したものだった。

/ 31ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp