第2章 主夫②
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楽しい昼食を終えると、俺は空になった弁当箱をまたアタッシュケースに入れて、にしばしの別れの挨拶をした。
「じゃあ、気をつけて帰ってこいよ。あんまり遅くまで無理するなよ?」
「はい!お弁当持ってきてくれてありがとうございました。リヴァイさんも気をつけてくださいね」
花の咲いたように笑うを見て、俺は顔がにやけちまう前に背を向けた。
後ろからエレンとジャンが背筋を伸ばして声を張り上げるのが聞こえる。
「リヴァイさんっ、お疲れ様でしたっ」
俺は眉をひそめた。まるで組の若い衆みてぇだし、うるさい。何よりまた周りの奴らから変な目で見られちまうじゃねぇか。…躾をするのも加減が難しいな。
「あのチビには…いつか私が然るべき報いを…」
ギラギラとしたミカサの視線も感じるが、とにかく弁当を持ってきて良かったと思う。
さて、早く帰って夕飯を作るとするか。