第1章 主夫①
起き上がらせてしまえば、根は真面目なはヨロヨロしながらも立ち上がって洗面所に行く。
サラサラのストレートヘアは、寝起きで乱れていても天使の輪ができるほど輝いていて、思わず追いかけていって撫でたくなる。
毎日味噌汁にワカメを入れている効果だろうか。
冷たい水で顔を洗えば、先ほどまでショボショボしていたの顔はシャキッとする。シャキッとしすぎて、戦国武将みたいに見えることもあるのが面白いところだが。
まぁ実際、ウチの大黒柱はコイツだし、一国一城の主であることには間違いない。
「いただきます」
テーブルについたは、きちんと両手を合わせて挨拶をしてから朝食を食べ始める。その所作の一つ一つが美しい。
「あっ、甘い厚焼き玉子だ!美味しいですリヴァイさん」
「弁当にも入ってるぞ」
「やったぁ!ありがとうございます!お弁当楽しみだな~!」
ニコニコと幸せそうな笑顔を浮かべながら飯を食っているを、向かいの席から眺めるのが俺は好きだ。
本当にコイツは旨そうに飯を食うな。料理のし甲斐があるってもんだ。